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第1回|「育成がしんどい」のは、あなたのせいじゃない

─ マナビノシクミのしくみ

· 人材育成
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「本業だけでも大変なのに、育成もやらないといけないんですよね……」
「自分が忙しくて余裕がないと、つい後輩に冷たくしてしまって落ち込む」
「このままじゃ、後輩に追い抜かれちゃうんじゃないかと焦ることもある」

これは、実際に現場で育成を担う方々から聞いた言葉です。
育成にまつわる「しんどさ」は、決してその人の怠慢やスキル不足のせいではありません。むしろ、育成を「個人のがんばり」に任せすぎている仕組みの問題だと、私たちは考えています。

「人が育つ」には、育成者の熱意だけでは足りない

育成がうまくいかないとき、育成者自身が「自分の関わり方が悪いのかも」と自責に陥ってしまうことがあります。
でも実は、育成の現場にはこんな構造的な課題があります:

  • 本業と育成の両立で手一杯になりがち
  • 自分なりに頑張っても評価されにくい
  • 後輩がうまく育たないと、プレッシャーになる
  • 一方で、「ちゃんと育てたい」という気持ちはある

この葛藤が、育成のしんどさを生んでいます。

「マナビノシクミ」は、育成の負担を「しくみ」で支える

私たちが提案する「マナビノシクミ」は、こうした育成の負担を、「関わり方」と「環境のデザイン」で軽減するしくみです。

キーワードは、「しくみ」。

具体的には、以下のような要素を組み合わせて、育成を支援します

  • 問い
    相手の内省を促す、成長の起点となる問い

  • 学びが自然に生まれる、安心・対話・ふりかえりのある空間
  • 対話
    答えを教えるのではなく、共に考えるやりとり
  • 意味づけ
    仕事の価値や背景を伝え、「やらされ感」からの脱却
  • 実験とふりかえり
    小さく試して、内省し、次につなげる学びの循環

これらはすべて、「特別なスキルや時間がなくてもできる」ように設計しています。

育成は「人生に関わる営み」である

育成とは、単なる仕事の引き継ぎではなく、誰かのこれからの人生に関わる深い営みです。軽く扱えるものではありません。

  • 最初に出会った育成者の関わり方
  • かけられたひと言
  • 一緒に悩んだ時間

こうした経験が、その人のこれからの「働き方」や「人との向き合い方」に長く影響を与えます。だからこそ、育成の現場には、行き当たりばったりな熱意や根性だけではなく、しくみで支えることが必要なのです

次回予告:「問い」があるから、人は考える

第2回では、「マナビノシクミ」の中核をなす要素のひとつ、「問い」についてご紹介します。

  • なぜ、問いがあると後輩は自分で考え始めるのか?
  • 忙しい現場でもできる問いかけの工夫とは?
  • 「問いによる育成」で、実際に起きた変化の事例

などを、わかりやすくお届けします。

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